2023-07-25
相続した不動産は、有効な活用方法が見つからない場合、所有することがデメリットとなる可能性があります。
しかし物件の立地や状態によっては、売却によって手放すことが難しいケースもあるでしょう。
そこで今回は、相続した不動産を手放す際の「相続土地国庫帰属制度」とは何か、かかる費用やメリットを解説します。
不動産の相続予定がある方はぜひ参考にしてください。
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相続土地国庫帰属制度とは、不要な土地の所有権を手放し、国庫に帰属させる制度のことです。
2021年に公布された相続土地国庫帰属法で定められた新しい制度であり、2023年4月27日から運用が開始されました。
制度ができた背景には、相続した不要な不動産を放置することによるリスクの上昇や荒廃を防ぐ目的があります。
また、地域における土地活用の妨げとなる所有者不明の土地を減らすことも目的です。
相続土地国庫帰属制度を利用すれば、売却や寄付が難しい土地でも手放せますが、すべての土地が対象となるわけではありません。
特定の条件に当てはまる土地は、維持管理に多くの費用・労力がかかるため対象外となります。
具体例としては、建物がある土地、担保権や収益に関する権利が設定されている土地、所有権で争いが起きている土地、汚染されている土地などです。
崖のある土地や地下に有体物が埋まっている土地などは、申請しても不承認となります。
また、申請が可能なのは相続や遺贈で土地を取得した人物のみであり、不動産取引などで積極的に取得した場合は申請が認められません。
共有名義の土地に関しては、共有者全員での申請が必要です。
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相続土地国庫帰属制度を利用する際にかかる費用は、審査手数料と負担金の2種類です。
審査手数料は、申請した際に土地1筆ごとに1万4,000円を納付することになります。
負担金は土地の特性に応じて算出された10年分の維持管理費用であり、1筆20万円が基本です。
そのため一般的な宅地の相続土地国庫帰属を申請した場合、かかる費用は21万4,000円となります。
ただし宅地でも用途地域によっては負担金の算出方法が異なるほか、一部の田畑や森林は面積に応じて負担金が増加するので、計算の際は注意が必要です。
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相続土地国庫帰属制度を利用するメリットのひとつは、時間をかけて買主や買取業者を探す必要がない点です。
相続放棄と異なり不要な土地だけを手放せる点、農地や山林を手放せる点も大きなメリットといえます。
さらに、国が土地の所有者となるため、管理の問題であとからトラブルが発生する心配がありません。
損害賠償責任も限定的になり、仮に土地を手放したあとに瑕疵があったとしても契約不適合責任を負うリスクが低いです。
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相続土地国庫帰属制度は2023年から始まった新しい制度であり、利用すれば相続した不要な土地の所有権を手放せます。
審査を受ける際も費用がかかるため、あらかじめ自身の所有する土地が条件に合うかどうかをしっかり調べておきましょう。
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