2023-08-01
相続する遺産に空き家が含まれている場合、分割の方法や管理責任など、考えなければいけないポイントが多く存在します。
とくに注意しなければいけないのは、相続税の問題です。
相続税が想定より高額だった場合は、予想外の出費が生じ資金計画に狂いが生じてしまう可能性もあります。
そこで今回は空き家の相続税について、計算方法と節税対策を解説します。
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空き家には独自の制度が適用されるケースも多く見られますが、土地と建物で構成される不動産としての扱いは変わりません。
そのため、その資産価値が一定基準を超えた場合は、相続税の課税対象となります。
ただし、小規模宅地等の特例を利用すると、一定要件を満たす土地の評価額が8割引になるため相続税の節税が可能です。
しかし、住人がいない空き家は、小規模宅地等の特例の適用外となる場合があります。
したがって、相続開始直前の時点で住人がいない空き家となっていた住宅は、住人がいる住宅に比べて相続税が高額になる可能性があります。
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空き家の相続税を計算するためには、まず空き家の相続税評価額と基礎控除額を把握する必要があります。
建物部分の相続税評価額は、固定資産税評価額と同額です。
土地部分の相続税評価額は、路線価方式や倍率方式で求められます。
基礎控除額は「3,000万円+(600万円×相続人数)」の式で計算可能です。
つまり相続人が1人だけの場合は3,600万円、相続人が5人いる場合は6,000万円が基礎控除額となります。
相続税評価額から基礎控除額を差し引くと、相続税の課税対象となる課税遺産総額が算出可能です。
そして課税遺産総額に国税庁が公開している速算表の数値を当てはめれば、相続税の金額が計算できます。
小規模宅地等の特例が適用できる場合は、土地の相続税評価額が8割引になるため、0.2をかけてから計算します。
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空き家の相続税対策にはいくつかの方法がありますが、基本的には相続発生前におこなうことになります。
代表的な対策として挙げられるのは、被相続人が生きているうちに相続人が同居を始め、家を小規模宅地等の特例の適用対象とする方法です。
また、相続までに3年以上賃貸物件として活用すると、200㎡までの面積であれば相続税評価額が5割引になります。
相続後に活用する予定がない空き家であれば、相続前に売却してしまうのも有効な対策です。
一方、相続発生後は空き家を小規模宅地等の特例対象とすることはできないため、実行できる節税対策はあまり多くありません。
特定の条件を満たす空き家は売却時に3,000万円の特別控除が利用できるので、相続税ではなく所得税を節税する方向にシフトすると良いです。
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空き家は小規模宅地等の特例が適用されないことにより、住人がいる家より相続税が高額になるケースがしばしば見られます。
小規模宅地等の特例や3,000万円の特別控除を利用するためには、さまざまな条件を満たす必要があるため、不安な場合は専門家に相談するのがおすすめです。
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