2024-10-29
不動産を売却する際は、買主がなかなか見つからず、時間がかかるのではないかと心配になるかもしれません。
しかし、買取を選択すると買主を探す必要がなく、スピーディーな売却が可能です。
そこで今回は、不動産の売却をご検討中の方に向けて、買取とはどのような方法なのか解説します。
買取を成功するためのコツや、押さえておくべき注意点も解説いたしますので、ぜひご参考になさってください。
不動産の売却方法は、第三者である買主を探して売る、仲介売却だけではありません。
この記事の本題でもある、「買取」と呼ばれる方法があります。
満足のいく不動産売却をするためのコツは、2つの売却方法それぞれの特徴を理解し、適した方法を選ぶことです。
そこで、買取とはどのような売却方法なのか、確認しておきましょう。
買取とは、不動産会社が物件を直接買い取る方法です。
そのため、買主を探す必要がなく、条件に合意するとすぐに取引が成立します。
買取を実行する際の具体的な流れは、以下のとおりです。
●物件の査定を受ける
●買取を依頼する不動産会社を決定する
●条件に合意したら売買契約を結ぶ
●決済のあと物件を引き渡す
それぞれの手続きに時間はそれほどかからないので、比較的スムーズに売却を完了できるでしょう。
なお、買取には即時買取と買取保証の2種類があります。
即時買取とは、すぐに買取を実行する方法のことです。
買取保証とは、期間を決めて仲介による売却をおこない、買主が決まらなかった場合に買取を実行する方法です。
一般的に、買取での売却価格は、仲介での売却よりも下がってしまいます。
そのため、早さだけではなく価格も重視したい方や、仲介で売れるか試してみたい方は、買取保証も検討してみましょう。
買取を選択した場合に得られる大きなメリットは、スピーディーに売却を完了できることです。
仲介で売却する場合は、通常3か月から半年ほどの期間がかかりますが、買取は数日から1か月ほどで完了します。
また、契約不適合責任の心配がなくなることもメリットです。
契約不適合責任とは、売却した不動産の品質などが契約内容と異なる場合に、売主が負う責任のことです。
たとえば、雨漏りやシロアリ被害があるのに、契約書に記載せずに売却すると、売主は契約不適合責任を負ってしまいます。
その事実を売主が知らなかった場合でも責任を負うので、注意しなくてはなりません。
その点、買取は不動産会社が買主であるため、基本的に契約不適合責任は免責になります。
売却後に不安を抱えずに済むことは、大きなメリットだといえるでしょう。
不動産売却の際に買取を選択すると、さまざまなメリットがあります。
ただし、買取を成功させるためには、コツを押さえることが大切です。
そこで、とくに押さえておきたい3つのコツについて、それぞれ確認しておきましょう。
買取を成功させるための重要なコツは、相場を把握することです。
相場がわからないと、提示された買取価格が適切かどうか、判断できません。
また、先述した買取保証を選択した場合は、不動産を売り出して買主を探します。
その際は、相場を参考にして、適切な価格を設定する必要があります。
売り出し価格が高すぎると、買主はなかなか見つからず、低すぎると損をしてしまうでしょう。
不動産を売却する際は、売却方法が仲介でも買取でも、事前に相場を調べておきましょう。
依頼する不動産会社をしっかり見極めることも、買取を成功するためのコツです。
不動産会社を決めるときは、買取金額の妥当性や、買取実績の多さなどに着目しましょう。
買取金額の妥当性は、相場を調べておくと判断できます。
買取実績が豊富だと、より満足のいく結果を得られる可能性があります。
また、担当者が信頼できるかどうかも、不動産会社選びのコツの1つです。
対応に誠実さを感じられる会社を選ぶことで、安心して手続きを進められるでしょう。
買取には即時買取と買取保証の2種類があるので、適したほうを選ぶことも大切です。
買取価格は基本的に仲介よりも下がるので、即時買取を選択すると、売却後に「仲介でもう少し高く売ることができたのではないか」と後悔するかもしれません。
そのような可能性がある場合は、買取保証を選択することがおすすめです。
買取保証は仲介で売り出す期限が決まっており、通常は3か月なので、ずっと売れない心配はありません。
ただし、仲介で売却する場合は、購入検討者が物件を見学する内覧をおこなうので、掃除や整理整頓などの準備が必要です。
物件を見たときのイメージが良くないと、なかなか購入決断には至らないためです。
また、築年数が経っていて劣化が進んでいる家は、購入検討者が少ない可能性があるので、仲介だと時間がかかるかもしれません。
以上のことから、内覧に手間や時間をかけたくない方や家の劣化が気になる方、価格より早さを重視する方などは、即時買取のほうが適しているといえるでしょう。
買取を成功させるためには、コツだけではなく、注意点を押さえることも大切です。
買取の注意点には、住宅ローンや売却費用、契約に関することが挙げられます。
これらの注意点について、それぞれ確認しておきましょう。
不動産を売却するためには、住宅ローンを完済する必要があります。
手持ちの資金が足りないときは、売却金も使うことができます。
ただし、売却金を使っても完済できない場合は、基本的に不動産を売ることができません。
そのため、住宅ローンが残っているときは残債を確認して、手持ちの資金や売却金で完済できるかどうかを調べておきましょう。
不動産買取は仲介手数料がかからないので、売却費用を大幅に節約できます。
ただし、査定費用や手数料などが発生することがあるので、注意が必要です。
これらの費用の有無や金額は、不動産会社によって異なるので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
その際は、いつどのような形で支払うのか、タイミングや支払い方法も確認しておくと安心です。
買取の契約を締結する際は、売買契約書や重要事項説明書などをしっかりと確認することが大切です。
売買契約書は、買主と売主が合意した内容を文書化したものであり、重要事項説明書には、契約の際に説明しておかなくてはならない重要な情報が記載されています。
とくに買取価格や手数料、引き渡しの時期や契約の解除条件は重要な項目なので、入念に確認しておきましょう。
契約の解除条件とは、売買契約締結後に契約を解除する際の条件です。
売買契約を締結しても、不測の事態が起きて、契約を解除しなくてはならないことがあるかもしれません。
そのため、違約金の有無や金額、関連する手続きや通知期間などについて、契約書に記載されている内容をチェックしておきましょう。
ほかにも、契約書や重要事項説明書の内容で疑問点や不明点がある場合は、きちんと解消してから契約を締結しましょう。
買取にはスピーディーに売却を完了できることや、契約不適合責任の心配がなくなるなどのメリットがあります。
即時買取と買取保証の2種類があり、適した方法を選ぶことが、成功につなげるためのコツの1つです。
住宅ローンや売却費用などに関する注意点があるので、買取を依頼する際はしっかりと押さえておきましょう。
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